ハローワークの転職相談で何ができる?相談内容・予約方法・他の相談先まで解説
ハローワークは、職業相談・求人紹介・キャリアコンサルティング・書類添削・面接対策・職業訓練・失業保険手続きなどのサービスを提供しています。
在職中の利用や、応募を前提としない相談だけの利用も可能です。
ただし、求人の質や戦略的なキャリア相談には限界があるため、目的に応じて転職エージェントやキャリアコーチングとの併用が効果的です。
ハローワークとは

ハローワークとは、厚生労働省が運営する公共職業安定所です。
全国に約540か所設置されており、求人紹介・職業相談・失業保険の手続きを無料で利用できます。
働く意欲のある人なら、年齢や雇用形態を問わず誰でも利用できます。
在職中・離職中のどちらでも利用でき、料金はすべて無料です。
地域密着型の機関のため、地元の中小企業の求人が中心となっています。
年間の有効求人数は数百万件規模にのぼり、地方の求人にも強い点が特徴です。
ハローワークで相談できる内容7つ
ハローワークでは、求人探しから公的給付の手続きまで、転職活動に必要なサポートを無料で受けられます。
相談員と1対1で対面相談する形式が基本で、在職中の人から離職中の求職者まで誰でも利用可能です。
ハローワークで相談できる内容は、以下のとおりです。
- 職業相談・適職相談
- 求人紹介・求人検索
- キャリアコンサルティング
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 面接対策・模擬面接
- 職業訓練(ハロートレーニング)の案内
- 失業保険の手続き相談
①職業相談・適職相談
ハローワークの職業相談は、職業相談員と1対1で行う対面の面談形式です。
所要時間の目安は5分から30分程度で、短時間の質問から本格的な相談まで対応してもらえます。
相談できる内容は、希望条件のヒアリングや向いている職業・業界の提案など幅広いものです。
未経験職種への挑戦に関するアドバイスや、退職理由の整理も相談できます。
また、ブランク期間の説明方法・自己分析のサポート・適性検査の案内にも対応しています。
適職相談では、自分のスキルや経験から向いている職種を一緒に考えてもらえます。
「どんな仕事に就けばいいか分からない」「自分の強みが分からない」段階での相談も可能です。
さらに、未経験分野に挑戦する際の職業訓練の活用方法や、ブランクがある場合の空白期間の職務経歴書への記載方法などのアドバイスも受けられます。
ハローワークの転職相談は、方向性が固まっていない段階の整理にも役立つでしょう。
②求人紹介・求人検索
ハローワークは年間数百万件規模の新規求人を取り扱っており、特に地域密着型の中小企業求人が豊富です。
求人を探す方法は、以下のとおりです。
- ハローワーク内に設置されたパソコンで検索する
- 自宅からハローワークインターネットサービスで検索する
- 相談員にヒアリングしてもらい紹介を受ける
気になる求人が見つかれば、窓口で紹介状を発行してもらえます。
ハローワーク経由で応募する求人は、原則として紹介状が必要です。
一方、オンライン自主応募に対応した求人なら、紹介状なしで直接応募できます。
求職者マイページに登録すると、ネット上では非公開の事業所名や所在地などの詳細情報も閲覧可能です。
なお、ハローワークの求人は無料で掲載できるため、求人数が多い反面、大手企業や高年収の求人は少なめです。
地方の中小企業の求人や、パート・契約社員など正社員以外の雇用形態の求人も多く含まれます。
求人の傾向を理解したうえで、ハローワークの転職相談を活用しましょう。
③キャリアコンサルティング(国家資格者による相談)
一部のハローワーク内に設置されている「キャリア形成・リスキリング相談コーナー」では、国家資格キャリアコンサルタントによる本格的なキャリアコンサルティングを無料で受けられます。
通常の職業相談との違いは、相談の深さにあります。
職業相談員は、求人とのマッチングが主な役割です。
一方、キャリアコンサルタントは国家資格を持つ専門家として、自己分析からキャリアプラン設計・職業能力開発まで深く伴走してくれます。
相談では、ジョブ・カードを活用できる点も特徴です。
ジョブ・カードとは、職歴・スキル・強みを整理する厚生労働省様式のシートです。
シートに沿って棚卸しを進めることで、自分のキャリアを客観的に整理できます。
また、相談は、対面・オンラインの両方に対応しています。
利用方法は、ハローワーク窓口での予約、または厚生労働省「キャリア形成・リスキリング推進事業」サイトからのオンライン申込です。
なお、転職するかどうか決めていない段階でも利用できます。
ハローワークの転職相談で深くキャリアを掘り下げたい人は、相談コーナーの活用を検討してみてください。
④履歴書・職務経歴書の添削
ハローワークでは、履歴書・職務経歴書の添削を無料で受けられます。
書類選考が通らない原因の分析や、職務経歴書のアピールポイントの整理を手伝ってもらえます。
自己PR・志望動機の書き方や、業界別の書き方のコツについてのアドバイスも可能です。
窓口には、応募書類の書き方パンフレットやテンプレートも用意されています。
資料を参考に下書きを作成したうえで、個別の添削を受けるとスムーズでしょう。
なお、事前に下書きを持参すると、限られた相談時間を有効に使えます。
詳細な添削には時間がかかるため、初回は予約をおすすめします。
ハローワークの転職相談を活用し、通過率の高い応募書類に仕上げましょう。
⑤面接対策・模擬面接
ハローワークでは、面接対策や模擬面接も無料で受けられます。
想定質問への回答練習や、退職理由の答え方を相談できます。
自己PR・志望動機の伝え方から、身だしなみ・話し方まで幅広いアドバイスが可能です。
未経験職種への応募や、ブランク期間がある場合の伝え方など、個別の事情にも対応してもらえます。
面接でよく聞かれる質問への対応を、本番前に練習できる点は心強いでしょう。
なお、模擬面接は時間を要するため、予約が必要なケースが多くなっています。
希望する企業の求人票や面接日程を持参すると、より具体的なアドバイスを受けやすいものです。
ハローワークの転職相談を通じて、自信を持って面接に臨める状態を整えましょう。
⑥職業訓練(ハロートレーニング)の案内
職業訓練(ハロートレーニング)とは、厚生労働省が実施する公的職業訓練制度です。
受講料は原則無料で、就職に必要なスキルや知識を学べます。
訓練は、以下の2種類に分かれています。
- 公共職業訓練:雇用保険を受給している人が主な対象
- 求職者支援訓練:雇用保険を受給できない人が主な対象
受講できる分野は、簿記・パソコンなどのビジネス基礎から、医療事務・介護・IT・Web制作・CADまで幅広く用意されています。
ネイル・美容など、専門スキルを学べるコースもあります。
職業訓練(ハロートレーニング)の受講料は原則無料で、自己負担はテキスト代などに限られます。
雇用保険の受給者は、訓練期間中に基本手当の給付日数が訓練終了まで延長される場合があります(訓練延長給付・最長2年)。
雇用保険の対象外の人も、一定の要件を満たせば「職業訓練受講給付金」として月10万円と通所手当を受給可能です。
申込はハローワーク窓口での職業相談が起点となるため、興味がある人は転職相談の際に確認してみましょう。
⑦失業保険(雇用保険)の手続き相談
失業保険(雇用保険の基本手当)の受給手続きは、住所地を管轄するハローワークで行います。
受給要件を満たしているかどうかに加え、受給額や受給開始時期も窓口で確認できます。
受給条件は、離職理由や雇用保険の加入期間によって変わるため、自己判断せず、ハローワークの相談窓口で確認するのが確実です。
ハローワークは相談だけでも利用できる?在職中・転職検討中の使い方
ハローワークは、応募や就職を前提とせず、相談だけ・話を聞くだけでも利用できます。
在職中でも求職者登録ができ、全国どこのハローワークでも何度でも無料で相談可能です。
在職中でもハローワーク相談は可能
在職中でも、ハローワークで求職者登録(求職申込み手続き)が可能です。
登録方法は、以下のとおりです。
- ハローワーク窓口で求職申込書を記入する
- ハローワークインターネットサービスで「求職者マイページ」を作成しオンライン登録する
在職中でも、求人検索・職業相談・キャリアコンサルティングなどのサービスを利用できます。
紹介状を発行してもらえば、在職中でも求人への応募が可能です。
ただし、オンライン登録のみの場合は、利用できるサービスが一部に限られます。
応募まで進めたい場合は、窓口での正式登録がおすすめです。
在職中にハローワークの転職相談を利用するメリットは、転職市場の相場感をつかめる点にあります。
希望する業界・職種の求人傾向を、退職前に把握できます。
働きながらキャリアプランを整理できるため、退職後の空白期間を減らせるでしょう。
なお、ハローワークに登録しても、現在の勤務先に情報が漏れる心配はありません。
安心して、在職中から情報収集を始めてみてください。
相談だけ・話を聞くだけでもOK
ハローワークは、必ず応募や就職をしなければならない場所ではありません。相談だけ・話を聞くだけの利用も歓迎されています。
「キャリアの方向性に迷っている」「適職を知りたい」段階での相談も可能です。「転職するか迷っている」「業界研究をしたい」場合にも対応してもらえます。
ハローワークは公的機関であり、職員に成果報酬や売上ノルマはありません。
無理に求人を勧められる心配がなく、気軽に話を聞きに行ける環境です。
相談頻度の制限もなく、何度でも無料で利用できます。
迷いを整理したい人こそ、ハローワークの転職相談を気軽に活用してみましょう。
ハローワーク相談窓口の利用方法
ハローワークの相談窓口は、初回に無料の求職者登録を済ませれば、受付時間内の来所で利用できます。
通常の職業相談は予約不要ですが、模擬面接やキャリアコンサルティングなどの専門相談は事前予約がおすすめです。
ハローワークの予約方法
ハローワークの通常の職業相談は、予約不要が原則です。
窓口で番号札を取り、順番が来たら相談員と面談する流れになります。
一方、以下のような相談は予約がおすすめです。
- キャリアコンサルティング
- 模擬面接
- 履歴書・職務経歴書の詳細な添削
- 職業訓練の個別相談
予約方法は、ハローワーク窓口での直接予約・電話予約・WEB予約フォームの3通りです。
WEB予約フォームは、地域のハローワーク公式サイトに設置されています。
記入項目の例は、氏名・フリガナ・求職番号・生年月日・希望日時(第1〜3希望)・メールアドレスです。
混雑を避けたい場合は、来所する時間帯にも工夫が必要です。
午前中や月初は混雑する傾向にあるため、午後遅めや週の半ばが比較的空いています。
ハローワークの転職相談をスムーズに受けるためにも、予約は前日までに済ませておくと安心でしょう。
ハローワークの受付時間・営業時間
ハローワークの基本の受付時間は、平日8時30分から17時15分までです。
土日祝日と年末年始は、原則として休みになります。
初めての利用や失業保険の初回手続きは、受給資格や金額の確認に時間がかかります。
なるべく時間に余裕を持って来所するのがよいでしょう。
なお、一部のハローワークでは、平日夜間や土曜日も開所しています。
対応は地域によって異なるため、事前に管轄のハローワークへ確認しておきましょう。
在職中の人に向けて、夜間相談窓口を設けているハローワークも存在します。
平日の日中に時間が取れない人は、ハローワークの転職相談を夜間や土曜に利用できないか調べてみてください。
ハローワークの相談が合わない?転職・キャリア相談の他の選択肢
ハローワークは無料で幅広く相談できる一方、相談員の質のばらつき・求人の幅・キャリア相談の深さには限界があります。
相談員と合わないと感じた場合や、より踏み込んだ相談をしたい場合は、目的別に他のサービスを使い分けるのが効果的です。
ハローワーク以外の相談先は、以下のとおりです。
- 転職エージェント
- キャリアコーチング
転職エージェント
転職エージェントは、民間の人材紹介会社が運営する無料の転職支援サービスです。
専任のキャリアアドバイザーが、求職者の転職活動に伴走してくれます。
無料で利用できるのは、求職者の入社が決まった際に企業側から成功報酬を受け取るビジネスモデルだからです。
キャリア相談・求人紹介から、書類添削・面接対策・年収交渉・入社日調整まで一貫した対応を受けられます。
非公開求人を紹介してもらえる点も、ハローワークにはない強みです。
ハローワークと転職エージェントの違いは、以下のとおりです。
| 比較項目 | ハローワーク | 転職エージェント |
| 料金 | 無料 | 無料 |
| 求人 | 地域の中小企業が中心 | 非公開求人を含む全国の求人 |
| サポート内容 | 必要最低限の支援 | キャリア相談から内定後まで一貫サポート |
| 対象者 | 誰でも利用可能 | 20〜50代の正社員転職希望者が中心 |
| 強み | 地元密着・公的機関の安心感 | マッチングの質と非公開求人 |
転職エージェントは、転職を急ぐ人や大手企業・高年収の求人を狙う人に向いています。
非公開求人にアクセスしたい人や、書類添削・面接対策を手厚く受けたい人にもおすすめです。
ハローワークの転職相談と併用すれば、求人の選択肢を大きく広げられるでしょう。
キャリアコーチング
キャリアコーチングは、専任のコーチが伴走しながらキャリア全体を支援する有料サービスです。
自己分析・強みの言語化・キャリアプラン設計から、意思決定の支援まで対応しています。
ハローワークや転職エージェントとの決定的な違いは、転職を前提としない点です。
キャリアコーチングは求人紹介で報酬を得るモデルではないため、中立的な立場で相談に乗ってもらえます。
現職にとどまる選択や、副業・独立まで含めたフラットな検討が可能です。
キャリアコーチングで受けられるサポートは、以下のとおりです。
- 徹底した自己分析と強み・価値観の言語化
- キャリアビジョンの明確化
- 実現に向けた具体的な行動計画の策定
- 転職活動の戦略設計(求人選びの軸の整理)
ハローワークの転職相談では時間の制約もあり、「そもそも何をやりたいか」を深く掘り下げるのは難しいものです。
キャリアコーチングは、「自分にとって理想の働き方は何か」を掘り下げる相談に強みがあります。
料金は数十万円規模が相場で、決して安くはありません。
しかし、その費用に見合うだけの経験・知識を備えたコーチが担当になりますし、長期的なキャリアの方向性を本気で考えたい人にとっては、投資対効果の高い選択肢です。
転職するか迷っている人や、キャリアに漠然とした不安がある人に向いています。
自分の強みが分からない人や、中長期のキャリア戦略を立てたい人も、検討する価値があるでしょう。
ハローワーク転職相談のよくある質問
ここでは、ハローワークの転職相談に関するよくある質問に回答します。
ハローワークの転職相談は何回でも無料?
ハローワークの転職相談は、何回でも無料で利用できます。
利用回数の制限はなく、就職が決まるまで継続的にサポートを受けられます。
職業相談や求人紹介を何度受けても、費用は一切発生しません。
また、在職中・離職中のどちらの場合でも、ハローワークを利用できます。
ハローワークだけで転職活動を完結できる?
ハローワークだけでも、転職活動を完結させることは可能です。
ただし、求人の質や戦略的な相談を考えると、他のサービスとの併用が効率的でしょう。
地元の中小企業を中心に探すなら、ハローワークの転職相談だけでも十分に転職できます。
一方、大手企業・高年収・専門職を狙うなら、転職エージェントの併用が現実的です。
中長期のキャリア戦略を考えたい場合は、キャリアコーチングの併用をおすすめします。
ハローワーク相談でよい求人は見つかる?
ハローワークでは、地元の中小企業や地域密着型の求人を中心に、よい求人が見つかります。
一方で、大手企業・高年収・専門職の求人は少なめです。
ハローワークの求人は無料で掲載できるため、求人の幅は広いものの質にはばらつきがあります。
応募前に、企業情報を自分でも調べておくことが重要です。
希望条件によっては、転職エージェントとの併用がより効果的でしょう。
ハローワークの転職相談で相場感をつかみながら、複数の手段で求人を探してみてください。
ハローワーク相談は電話やオンラインでも可能?
ハローワークの電話相談は、手続きの照会や予約受付などが中心です。
本格的な職業相談を受けるには、基本的に来所が必要になります。
電話で対応してもらえるのは、失業認定の手続き照会・各種制度の問い合わせ・来所予約・簡単な質問などです。
詳細な職業相談・書類添削・面接対策・紹介状の発行は、電話では対応していません。
一方、オンラインでの職業相談は、一部のハローワークで実施されています。
利用条件は、求職者登録済みであることです。
希望日の前日までに、対象のハローワークへ電話で仮予約をします。
利用できるハローワークは地域限定のため、管轄のハローワーク公式サイトで対応状況を確認してください。
ハローワーク相談に持ち物は必要?
ハローワークの相談だけの利用なら、特別な持ち物は不要です。
運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類があると、登録手続きがスムーズに進みます。
書類添削を受けたい場合は、履歴書・職務経歴書の下書きを持参しましょう。
失業保険の手続きには、離職票などの書類が必要です。
ハローワーク相談時の服装に決まりはある?
ハローワークの相談時の服装に決まりはないため、私服で問題なく、清潔感のある服装であれば十分です。
ハローワークは面接の場ではなく相談窓口のため、スーツや正装は不要です。
模擬面接を受ける場合など、ハローワークが指定があればその服装で訪問しましょう。
まとめ
本記事では、ハローワークの転職相談について以下の内容を解説しました。
- ハローワークでは職業相談から失業保険の手続きまで7つの支援を無料で利用できる
- 在職中の利用や、応募を前提としない相談だけの利用も可能
- 通常相談は予約不要で、模擬面接などの専門相談は事前予約がおすすめ
- 求人の幅や相談の深さに限界があるため、目的に応じた併用が効果的
地元での転職を目指すなら、ハローワークの転職相談が心強い味方になります。
一方で、大手企業や高年収を狙う場合や中長期のキャリア戦略を考えるなら、転職エージェントやキャリアコーチングが選択肢に入ってくるでしょう。
自分の目的に合わせて相談先を使い分け、納得のいく転職活動につなげてください。